butterflyer’s blog

エンジニアの蝶々日記。

ブレイクスルー( ´∀` )

 先週の散歩中の一枚。

この実に蜜があるのだろうか?( ´∀` )

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このチョウはサトキマダラヒカゲ

非常に落ち着いております( ´∀` )

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 ここから仕事の話。

ご興味がありましたら、お付き合いください。


さて、先週は今開発中の装置に進展がありました( ´∀` )

 

さかのぼること2年前。これまでの装置の設計を大きくかえて、新しい装置づくりのプロジェクトが始まりました。

 

一年ほどをかけ、ようやくひらめいたアイディア。

バタフライヤー渾身の設計('ω')ノ

 

でも、ものづくりの本当の闘いはここから。 いかにして、設計図どおり作るか。

 

設計図を携えて、この業界40年のドンに作り方を相談しました。

「こんなやり方で作れないだろうか?」

 

帰ってきた答えは

「......無理だと思う。理論上、できても、実際にこれは作れない。部品の精度が出ないと思う。」

 

別の会社の敏腕営業マンからも

「そもそもこの精度を測る装置なんてこの世にない」

 

 Σ(・□・;).......

 

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石垣島のチョウの写真でも見ているうちに、精度を測る装置がないならば、それを生みだせばよいのでは?

その装置で精度を測りながら部品を作ったら、精度の壁を越えられるのでは?

 

当時の上司とこの新しい測定装置をめぐって、ドンパチとやりとりがあったのですが、ここはバタフライヤーの直感と計算を信じ、測定装置を生み出すことに成功しました( ´∀` )

 

そして、

バタフライヤー設計図とバタフライヤー測定装置を携え、満を持し装置の試作開始。

 

そして作ったものを検査してみたが、

最後の一押し、やはり精度が出ない

 

何度もトライするうちに

 関係会社の方や先輩からも、ちらほらとこんな言葉が出る。

〝本当に作れるのだろうか。精度が出ないのではないか。〝

 

業界のドンの言葉が浮かぶ。

「理論上、できても、実際にこれは作れない。部品の精度が出ないと思う。」

 

これだけ難しいのは、4年ぶりだろうか。

バタフライヤーはそんな困難にぶつかったとき、この言葉を思い出す。

どんな難問にも答えはある。

 

作ったものの隅々まで調べ、理論からの僅かな誤差を無くしていく。

そうして半年間、10、20、、頭の中まで含めたら100のアイデアを試した。

 

そして先週、この写真を眺めていた( ´∀` )

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サトキマダラヒカゲにはどんな世界が見えるのかな?

180度回った世界。

回った世界...

回った?回転?

 

閃いた!!

あの部品を回転させれば精度が出る!!

急ピッチでものを集め、改良をし、検査に。

 

そして、ついに、昨日。

 

関係者からの一本の電話

「基準クリアしました。やりました!本当にありがとうございました。」

 

ついに、ついに、ついに。

精度の壁を越えて、

ものができた。

 

先人たちが無理だと言ったもの。

理論上可能とされてきたが、精度が出ないと諦められてきたもの。

 

 

長い長い道のりだったが、少し泣きそうになった。

サトキマダラヒカゲに感謝。

一緒にやってきたチームのみなに感謝。

 

 

今だけは言ってみる。

世界一の技術だなっ。

 

さきはまだまだ長いのだが、今は少し羽休めです( ´∀`)

 

お付き合いいただきありがとうございました。

 

(写真・解説)

サトキマダラヒカゲ(日本固有種)

雑木林や平地の薄暗いところを好むヒカゲチョウ。ジャノメ模様以外にも複雑な斑紋をもつ。花を訪れることは一度も見たことがなく、主に樹液に集まる。また、写真のように地面にとまって吸水する行動をよくとる。あまり知られていないが、実は日本固有種なので、日本にしか生息しない。