コスモポリタン
淡いオレンジの翅をもつこのチョウはヒメアカタテハと言います。日本全土に分布しているチョウで、あまりチョウになじみがない方でも見たことがあるかもしれません。
さて、このチョウですが、実は
全世界に分布をもつ蝶々界随一のコスモポリタン(国際人)です。
みなさまのなかにはアゲハチョウ(ナミアゲハ)の方がよく見かけるし、世界中にいるんじゃないの?と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
実はアゲハチョウは東アジアで主に分布をもつ蝶、アジアポリタンなのです。
(アジアポリタンは勝手に作った造語です笑)
ヒメアカタテハは、アジア、ヨーロッパ、アフリカ.... などほぼ全世界に分布を持ちます。
なぜ、ヒメアカタテハはそんなに分布が広いのか??!!
それは数世代にわたって移動と繁殖を繰り返す種だからです!!!
このようにして、大陸間を大移動するほど、ヒメアカタテハは世代交代と移動を繰り返して分布を広げているそうです。これがヒメアカタテハのコスモポリタンたる由縁なのです。
(写真・解説)
2019年9月15日 奥多摩 山のふるさと村
2018年8月5日 長野県 入笠山
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アカタテハに似て、オレンジ色の鮮やかな翅をもつチョウ。世界中に分布のネットワークをもつチョウチョウ界のコスモポリタン。これはヒメアカタテハが春から夏に南方から北方へと数世代にわたって繁殖と移動を繰り返しながら分布を広げ、秋になると北方から南方へと再び繁殖と移動を繰り返し分布を広げるためである。最新の研究によると、ヨーロッパの北極圏からアフリカの南方までおよそ1万5千kmの距離を数世代にわたって繁殖を繰り返して移動するという結果が報告されてたそうです。こうした種の世代交代は、実は鳥の誕生の歴史と関係し....。詳しくはまた今度!